2019年7月30日-8月2日 @ロワジールホテル豊橋
お問い合わせ:ss19_info_[at]_astro-wakate.sakura.ne.jp(_[at]_→@)
    • 投票によりアワードを受賞された方々をこちらのページで紹介しています。
      また、ポスターアワードとして選ばれたポスターは「資料公開」にて公開しています。
    • 講演形式は以下の3種類です。

    • ・a講演(12分間の口頭発表+3分間の質疑応答)
    • ・b講演(ポスター掲示+3分間の口頭発表)
    • ・c講演(ポスター掲示のみ)

    • a講演、b講演の口頭発表では、プロジェクターを利用しての発表をお願い致します。
    • 7分科会に分かれてセッションを行います。
      ここではそれぞれの分科会について紹介しています。

    • 重力・宇宙論分科会
      タイトル
      宇宙論と重力理論 - 現在地と進路について -
      座長団 三浦 大志(京都大学 D1), 橋本 大輝(名古屋大学 D1), 富川 慶太郎(立教大学 D1), 片桐 拓弥(立教大学 D1), 嶋田 圭吾(東京工業大学 D1), 三嶋 洋介(立教大学 M2), 阿部 克哉(名古屋大学 M2), 石川 純也(東京工業大学 M2), 上田 和茂(広島大学 M2), 楠見 蛍(東京学芸大学 M2)
      紹介文  宇宙マイクロ波背景放射(CMB)や宇宙の大規模構造の精密な観測などにより、我々は標準宇宙モデルを構築し、精密宇宙論を議論することが可能となった。 標準宇宙モデルは、宇宙がインフレーションに始まり、再加熱からビッグバン元素合成、暗黒時代、初代天体の形成及び宇宙再電離期へと進み、その後の階層的な構造形成によって現在の宇宙が形成されたとするシナリオを提供する。 このモデルは宇宙論に対して重大な示唆をもたらすCMBの観測や銀河の空間分布等に対してほとんどのスケールで整合的な説明を与える。 しかしその一方で、インフレーションの直接的証拠や、宇宙の加速膨張の起源、暗黒物質の正体、そして初期の天体形成から宇宙再電離に至る過程など、現在の標準モデルでは説明できない未解明の課題も多く残している。 これらの解明が現代宇宙論における重要課題である。
       また、宇宙を舞台にした重力理論の研究も活発に行われてきた。 宇宙の時空構造を記述する一般相対論は、 ニュートン重力では扱うことのできない様々な現象を説明できる反面、宇宙の加速膨張や極限的な重力場での現象に関しては、未だに十分な説明が与えられず、これらを解明することは現在の課題である。 この問題は多方面からアプローチされ、とりわけ修正重力理論や量子重力理論、ホログラフィー原理等を用いた議論がなされてきた。 例えば、修正重力理論とは一般相対論を修正しつつ、それを土台とする形で未解決の現象を説明する理論である。 また、量子重力理論はくりこみ不可能とされる一般相対論に代って、重力を量子化し、極限的な環境の説明を試みるものである。 現在これらの理論には様々なモデルが提唱されているが、こうした新たな重力理論の検証には、重力波の観測やブラックホール周辺の強重力場現象の観測などが必要である。
       近年、宇宙論や重力理論が抱えるこれらの問題に関する重要な手がかりが観測により得られるようになってきた。 記憶に新しいところでは、2015年9月の重力波の初検出があり、その後の観測により多数の重力波イベントが検出されている。 中でも2017年8月の中性子星連星の合体による重力波イベントでは、幅広い波長域における電磁波での同時観測も行われ、マルチメッセンジャー天文学の幕開けとなった。 さらに、2017年9月のニュートリノとガンマ線の初同時観測も話題を集めた。 この観測面の急速な進展により、現在未解明の物理に対する様々なアプローチが可能となり、我々の宇宙論及び重力理論の理解を次のステージに確実に導いてくれるであろう。
       本分科会では、宇宙における包括的な現象やその原初の解明を取り扱うとともに、その壮大なスケールを “実験場”として利用した重力理論への探求についても扱う。 その上で、研究への取り組みを参加者で共有、議論することで今後の研究の指針を明確にするとともに、それらの成果を個々の研究へと還元することを目的とする。
      招待講演
    • 須山 輝明氏(東工大)
    • 菅野 優美氏(大阪大)
    • 注釈  以下の項目は、重力・宇宙論分科会で扱う。
    • ・宇宙論的なスケールにおける宇宙の時間発展、構造形成に関連する問題
    • ・インフレーション周辺の初期宇宙に関する問題
    • ・ブラックホールや重力波等に関連する問題
    • ・ダークマター、ダークエネルギーに関連する問題
    • ・修正重力、量子重力、余剰重力等に関連する問題

    • <振り分け基準>
    • ・原則としてアブストラクトの完成度(構成、論理性、独自性などを総合的に評価)をもとに振り分ける。
    • ・完成度が同程度である場合は、M1を優先する。
    • ・レビュー講演を認める。
    • キーワード 大カテゴリ:「重力理論」「相対論的宇宙論」「観測的宇宙論」「素粒子論的宇宙論」
      小カテゴリ:「Einstein重力」「analog gravity」「ダークマター」「重力波」「再加熱」 「修正重力理論」「ブラックホール」「ダークエネルギー」「初期宇宙」「CMB(宇宙マイクロ波背景放射)」 「量子重力」「ホログラフィー原理」「重力レンズ」「インフレーション」「宇宙再電離」 「21cm線」「大規模構造」「ニュートリノ」その他
      コンパクト天体・宇宙素粒子分科会
      タイトル
      集え、宇宙の開拓者(パイオニア)!!
      座長団 梶原 侑貴(京都大学 M2), 恒任 優(京都大学 M2), 鈴木 方隆(東北大学 M2), 松岡 知紀(京都大学 M2), 林 航大(京都大学 M2), 小形 美沙(早稲田大学 M2), 岩田 朔(東京大学 M2)
      紹介文  宇宙の高エネルギー現象はしばしば、可視光だけではなく電波からガンマ線、さらには重力波やニュートリノ、宇宙線などの放射の時間発展に基づいて理解される。 その最たる例が一昨年観測された連星中性子星合体であろう。 LIGOやVirgoによる重力波検出GW170817を皮切りに電磁波での継続的な追観測がなされ、その放射源の正体やr-process元素の起源、ショートガンマ線バーストの機構への示唆がもたらされた。 このように電磁波に加えて重力波、さらにはニュートリノなどの観測に基づいて宇宙の現象を理解する試みはマルチメッセンジャー天文学と称される。 さらに天体現象の時間進化をフォローアップする取り組みは時間軸天文学と呼ばれ、近年これら2つの新しい天文学が産声を上げた。
       マルチメッセンジャー天文学、時間軸天文学が対象とするのは連星中性子星合体にとどまらない。 宇宙における高エネルギー現象すべてがターゲットといっても過言ではなかろう。 そして重力波放射、超新星爆発、ガンマ線バースト、高速電波バースト、キロノバなどの高エネルギー現象には、白色矮星や中性子星、ブラックホールといったコンパクト天体が付随することが多い。 すなわち、宇宙におけるコンパクト天体の現象が、電磁波、重力波、ニュートリノ、宇宙線に基づいて次第に深く理解されることが期待できる。
       我々の究極の使命は、宇宙の高エネルギー現象を理論・観測の両面から完全に解明することである。 マルチメッセンジャー天文学・時間軸天文学の黎明期にある現代は、この課題に取り組むための絶好の時代といえよう。 その最中で、本分科会ではコンパクト天体・宇宙線の現象に関する多種多様な講演や議論の場を設ける。 本分科会が参加者にとって有意義な経験となること、その後の研究活動に対するインスピレーションをもたらすことを願うばかりである。
      招待講演
    • 勝田 哲氏(埼玉大)
    • 當真 賢二氏(東北大)
    • 注釈  超新星爆発や中性子星、白色矮星は、激変星(新星や矮新星)を含め、コンパクト天体・宇宙線分科会で扱います。 活動銀河核(AGN)のブラックホールとしての挙動やジェットに注目する場合はコンパクト天体・宇宙素粒子分科会で扱いますが、 AGNホスト銀河やAGNと銀河の共進化については銀河・銀河団分科会で扱います。 相対論の基礎理論に関する話題は重力・宇宙論分科会で扱います。 重力波や高エネルギー粒子(ニュートリノ含む)は、コンパクト天体(付随するジェット等も含む)による現象についてはコンパクト天体・宇宙素粒子分科会で扱いますが、ダークマター・インフレーション起源の現象については重力・宇宙論分科会で扱います。 Fast Radio Burstについての話題は、起源に着目したものについてはコンパクト天体・宇宙線分科会で取扱います。 また、宇宙素粒子に関わる話題は広くコンパクト天体・宇宙素粒子分科会で扱います。 具体例としては、パルサー星雲、最高エネルギー宇宙線、背景放射、未同定天体、などです。 ただし、超新星残骸や星間空間における宇宙線の伝搬に関しては、星間物質との関わりが深いため、銀河系内宇宙線と関わるものも含めて、星間現象分科会で扱います。

      <振り分け基準>
    • ・アブストラクトから期待される発表内容を重視して振り分けます。
    • ・同程度の内容が複数ある場合、レビューより自身の研究発表の方が振り分けの上で若干優遇されます。 レビュー同士では、自身の研究目的に繋がっているような(新たな考えなどがある)場合の方が優遇されます。 つまり、 自身の研究 > 自身の研究に繋がるレビュー > 単なるレビュー の順で振り分けは若干優遇されます。
    • ・以上の基準から判断して同程度の優先度だった場合に限り、M1が優先されます。
    • キーワード 大カテゴリ:「コンパクト天体」「宇宙素粒子」
      小カテゴリ:「ガンマ線バースト」「超新星爆発」「ジェット」「白色矮星」「激変星」「中性子星」「天体としてのブラックホール」「強磁場」「連星合体」「重力波」「高エネルギー粒子」「ニュートリノ」「ガンマ線」「Fast radio burst」
      銀河・銀河団分科会
      タイトル
      Bridging the Galaxies
      座長団 菊地原 正太郎(東京大学 D1), 岩下 昂平(愛媛大学 M2), 下舘 果林(東京大学 M2), 福岡 遥佳(東京大学 M2), 三好 貴大(東北大学 M2), 辻 歩美(金沢大学 M2), 長崎 早也香(名古屋大学 M2), 小川 翔司(京都大学 M2), 名越 俊平(京都大学 M2)
      紹介文  近年における銀河天文学は、天文学の諸分野の中でも特に急成長を遂げている分野のひとつである。 観測においてはガンマ線から電波に至るまで様々な望遠鏡・観測装置が一線で活躍しているだけでなく、CTA・XRISM・TMT・JWST・SKAといった次世代望遠鏡の稼働に向けた準備も着実に整えられつつある。 観測で得られるデータは大規模であり、これを高速に処理するために深層学習が注目されている。また計算機の発達により、これまでにない分解能や速度での理論シミュレーションも可能になってきた。 すなわち現代の銀河天文学は、「多波長天文学」「ビッグデータサイエンス」「観測・高速演算・理論シミュレーションの融合」といった、過去にはないほど豊穣な宝の山を目の当たりにしているのである。 この宝は、星団・AGN・銀河・銀河群/団といったあらゆる種族、ガンマ線から電波までの多波長、そして観測・解析・理論に渡る手法を含んでいる。 これらすべてが、星・ガス・暗黒物質などからなる複雑系たる銀河を正しく理解するための鍵なのである。
       タイトルの”Bridging the Galaxies”は、観測対象や波長、手法といった差異にとらわれることなく、包括的な議論の場を提供したいという願いを込めたものである。 本分科会が参加者の今後の研究活動に広い視野と深い洞察を与え、 また共に励まし成長し合える仲間と出会う契機になることを心から期待する。
      招待講演
    • 嶋川 里澄氏(国立天文台)
    • 西村 優里氏(東大)
    • 注釈  次の項目は当分科会で扱います:「活動銀河」、「超大質量ブラックホール・AGNと銀河の共進化」、「球状星団を1つの系としてみる場合など」、「系外銀河内の星形成あるいは銀河系内のkpcスケールに関連する星形成活動」、「Mpc以下のスケールの構造形成について、その構造をトレースするものが銀河である場合(例えば銀河団、銀河クラスタリングなど)」、「銀河形成に関連するフィードバック(SN, AGN, 大質量星による輻射等)」、「銀河・AGNによる宇宙再電離への寄与」、「銀河間物質と銀河進化の関係」。
       次の項目は、当分科会では扱いません:「Gpc以上の大スケールの構造形成」 (→重力・宇宙論分科会等)、「AGNのブラックホールとしての挙動やジェットに注目する場合」 (→コンパクト天体・宇宙素粒子分科会等)。

      <振り分け基準>
    • ・講演はアブストラクトと学年を基準に振り分ける。 アブストラクトについては、完成度が高いものを優先する。学年については、低学年ほど優先する。
    • ・レビュー講演については以下の優先順位とする;(1)独自の研究 > (2)独自の解釈等を含むレビュー講演 > (3)レビュー講演。(2)に該当する場合は、アブストラクトにその旨を明記すること。
    • ・分野ごとの講演の数が偏っていた場合、調整を加える可能性がある。
    • キーワード 「銀河系」「矮小銀河」「近傍銀河」「遠方銀河」「活動銀河 (AGN)」「銀河群・銀河団」「球状星団」「星形成 (系外 or 系内のkpcスケール以上)」「化学進化 (系外 or 系内のkpcスケール以上)」「銀河形成」
      太陽・恒星分科会
      タイトル
      汝が為に星は光る
      座長団 河合 敏輝(名古屋大学 M2), 中谷 賢人(名古屋大学 M2), 山崎 大輝(京都大学 M2), 古谷 侑士(京都大学 M2), 木原 孝輔(京都大学 M2), 關 嵩覚(京都大学 M2), 鷲ノ上 遥香(東京大学 M2), 谷口 大輔(東京大学 M2)
      紹介文  近年の太陽・恒星研究では、数多くの新しい観測が計画・実行されてきています。 太陽分野では、Hinode衛星をはじめ、SDO衛星、IRIS衛星、CLASPロケットなどによる太陽表面や上空の微細構造の観測が行われ多くの成果を上げてきました。 最近ではALMAによる成果も出始め、DKIST、Parker Solar Probeの観測開始も間近に迫っています。 さらにSolar-C_EUVSTやPhoENiX、といった次世代の衛星プロジェクトも計画されています。 一方、恒星分野では、これまで近赤外線帯域のすばる望遠鏡やKepler衛星、X線帯域のMAXIやCHANDRA衛星、電波帯域のVLAや野辺山45m望遠鏡などが観測に用いられてきました。 加えて近年にはNICER衛星、TESS衛星、せいめい望遠鏡が観測を開始し、今後は、ひとみ後継機による恒星観測も期待されています。
       このような観測の多様化により、太陽、恒星、さらには惑星の研究者が互いに手を取り合って前に進む時代が来ており、観測だけでなく、装置開発、理論・数値シミュレーションの総合力をもって問題の解決に挑む必要があります。
       本分科会では太陽・恒星の幅広いテーマを取り上げ、広い角度から太陽・恒星の全体像を把握することを目指します。 さらに招待講演では太陽・恒星分野の第一線で活躍されている研究者を2名招待し、最新の研究を紹介していただきます。 最先端の研究を肌で感じ、参加者のさらなる研究意欲をかきたてられることでしょう。 これらの試みにより、専門分野を超えた知識の共有や新たな発見が生まれ、本分科会が日本における太陽・恒星の研究をさらに加速させるエネルギー源となることを期待しています。
      招待講演
    • 飯島 陽久氏(名古屋大)
    • 須田 拓馬氏(東大)
    • 注釈
    • ・個々の恒星の性質を用いた議論(金属欠乏星など)は太陽・恒星分科会で扱います。
    • ・惑星系を持つ恒星自体に関する研究は太陽・恒星分科会で扱います。
    • ・恒星の集団(球状星団や銀河など)は銀河・銀河団分科会で扱います。
    • ・白色矮星はコンパクト天体・宇宙素粒子分科会で扱います。
    • ・超新星爆発や中性子星はコンパクト天体・宇宙素粒子分科会で扱います。
    • ・水素燃焼が始まる前の原始星は星・惑星形成分科会で扱います。
    • ・水素燃焼しない褐色矮星は星・惑星形成分科会で扱います。


    • <振り分け基準>
    • 1. 論文のレビュー公演は歓迎するが、独自の研究発表に対しては優先順位が下がる。また、レビュー公演でも独自の考察があるものは、それがないものに対して優先度が上がる。(*よって、アブストラクトの段階で研究発表なのかレビュー公演なのか明記しておくこと。レビュー公演で独自の考察があれば、その点も明記すること。)
    • 2. 基本的には夏の学校の発表経験のない者を優先するが、アブストラクトの完成度も考慮する。
    • キーワード 大カテゴリ:「太陽」「恒星」
      小カテゴリ:「太陽・恒星内部」「光球」「彩層」「磁場観測」「コロナ」「太陽・恒星風」「ダイナモ」「宇宙天気」「プロミネンス」「フレア」「質量放出」「恒星大気」「主系列星」「惑星状星雲」「恒星進化」「変光星」「脈動」「磁気リコネクション」「黒点」「化学組成」
      星間現象分科会
      タイトル
      星間現象を覗く ~ゆりかごから墓場まで~
      座長団 安田 晴皇(京都大学 D1), 瀬井 柊人(青山学院大学 M2), 御堂岡 拓哉(東京大学 M2), 藤城 翔(名古屋大学 M2) 天野 雄輝(京都大学 M2)
      紹介文  星間空間には、原子ガス、分子ガス、電離ガス、ダストなど様々な状態の物質が存在しています。 これらはHII領域、分子雲、惑星状星雲、超新星残骸といった多彩な姿をとり、加熱と冷却、磁場、乱流、衝撃波などの多彩な物理現象の場となっています。 そこでは電離や結合などの物理過程・化学過程を通して物質の状態が様々に変化します。 したがって、星間現象を理解することは宇宙における物質の進化過程を理解することにつながります。 そのため、銀河系内を中心に電波からγ線までの多波長で観測を行うことで星間現象を理解する試みがなされています。 今後は、SKA(センチ波)、ALMA(サブミリ波)、SPICA(赤外線)、TMT(可視光,赤外線)、XRISM(X線)、CTA(γ線)などの新時代の望遠鏡によってさらに進展すると考えられます。 また、理論分野からは高性能計算機を用いて、磁場の影響、分子雲の衝突、不安定性の非線形解析などの数値シミュレーションが行われています。 多波長による観測とシミュレーションを通した理論を総合的に結びつけて考察することで、星間現象についての理解が深まり、さらにそれらは銀河進化や星形成のようなスケールの異なる現象の理解にもつながります。
       本分科会では、主として観測・理論を問わず銀河系内(天の川銀河)及び大小マゼラン雲の星間現象について分子雲(ゆりかご)から超新星残骸(墓場)まで取り扱います。 招待講演では星間現象の分野の最先端で活躍されている講師の方々を招き、星間現象の面白さや最新の成果、問題点などについて講演していただく予定です。
      招待講演
    • 馬場 彩氏(東大)
    • 岩﨑 一成氏(国立天文台)
    • 注釈  星形成領域、分子雲は星間現象分科会で扱います。 分子雲コア、アウトフローは星・惑星形成分科会で扱います。 フィラメントの分裂を扱う研究は、星・惑星形成分科会が扱います。 超新星自身はコンパクト天体・宇宙素粒子分科会で扱います。 超新星残骸に関しては、銀河系内宇宙線への示唆も含めて、星間現象分科会で扱います。 また、宇宙線の星間空間の伝搬に関わる話題も、星間現象分科会で扱います。 ただし、宇宙素粒子に関わるより広い話題はコンパクト天体・宇宙素粒子分科会で扱います。

      <振り分け基準>
    • 1. 独自の研究発表を最優先とする。
    • 2. レビュー公演の場合は、独自の解釈・主張が含まれる公演を優先する。
    • 3. 基本的に修士1年の学生の発表を優遇する。
    • 4. 修士2年以上の発表はアブストラクトの内容によって判断する。
    • キーワード 大カテゴリ:「超新星残骸」「星形成領域」「分子雲」
      小カテゴリ:「メーザー」「PAH」「CMZ」「フィラメント」「分子雲衝突」「星間乱流」「星間磁場」「ダスト」「惑星状星雲」「光解離領域」「HII領域」「HIガス」
      星・惑星形成分科会
      タイトル
      星惑星形成の最前線
      座長団 安部 大晟(名古屋大学 M2), 織田 篤嗣(甲南大学 M2), 角田 伊織(京都大学 M2), 竹村 英晃(総合研究大学院大学 M2), 桑原 歩(東京工業大学 M2)
      紹介文  本分科会では、分子雲コアの収縮による星や原始惑星系円盤の形成、円盤内における惑星形成に関する物理現象、太陽系内および太陽系外天体の形成史や表層・内部構造に関する研究を扱います。 この分野では、観測・探査技術の進歩が著しく、赤外線・電波での観測による原始惑星系円盤の詳細な構造の検出、系外惑星大気の分光観測、太陽系内衛星の表層・内部構造の解明といった結果が報告されています。 例えば、引き続き行われているALMAの観測によって、複数の天体に原始惑星系円盤の多重リング構造・スパイラル構造が発見されており、そのいくつかの天体では惑星の存在が示唆されています。 プロキシマケンタウリ周りでの惑星検出といった太陽近傍における惑星の発見、エウロパでの水蒸気噴出の発見などが報告されています。
       また、太陽系外でも多くの惑星が見つかっており、2018年8月にはNASAの系外惑星探査衛星ケプラーによって一度に44個もの系外惑星が発見されました。 見つかった系外惑星の総数は増加の一途をたどっており、今や約4000個近くの惑星が太陽系の外に存在しているということが明らかになっています。 更に、同年10月には、JAXAの小惑星探査機はやぶさ2の小型機「MASCOT」が、小惑星リュウグウへの着陸を成功させ、リュウグウ表面の科学観測を成功させたというニュースが世界を駆け巡りました。 そして、2021年に打ち上げが予想されているJWSTによる初代星の発見や、銀河形成期における星形成に関する観測にも期待が集まっています。
       観測結果を検証するため、時には理論的予言をすることで、観測計画の提案をするという点で理論研究も発展してきています。 例えば、輻射流体や磁気流体での、長いタイムスケールの三次元星形成シミュレーション、ダストの自己重力不安定性による微惑星形成モデル、原始惑星同士の巨大衝突による衛星系形成シナリオなどが挙げられます。
       これらの観測・探査・理論研究の目覚ましい成果は相互の進展に大きく寄与することは言を待ちません。 本分科会に参加される、新時代の研究を担う皆様には、夏の学校での発表や議論を通じて観測や理論といった枠にとらわれずに視野を広げ、今後の研究に役立てて頂くことを期待します。
      招待講演
    • 片岡 章雅氏(国立天文台)
    • 福井 康雄氏(名古屋大)
    • 注釈  水素燃焼する質量の星は太陽・恒星分科会で扱います。 サブpcスケールの分子雲コアやアウトフローは星・惑星形成分科会で扱いますが、pcスケールの星形成領域や分子雲などは星間現象分科会で扱います。 ここで扱うフィラメントは分子雲内に見られる、線状高密度領域を指します。 フィラメントについて、フィラメントの分裂は星形成の初期条件を決めており星形成分野において非常に重要です。 よってフィラメントの分裂を議論する研究においては、星・惑星分科会で扱います。

      <振り分け基準>
    • 自身の研究 > 自身の研究に繋がるレビュー > 単なるレビューで優先する。
    • 基本的に修士1年の学生の発表を優遇する。
    • 修士2年以上の発表はアブストラクトによって判断する。
    • キーワード 大カテゴリ:「星形成」「惑星形成」「惑星科学」
      小カテゴリ:「フィラメント」「原始星」「褐色矮星」「太陽系外惑星」「巨大衝突」「分子雲コア」「太陽系形成」「原始惑星系円盤」「周惑星円盤」「太陽系内天体」「アウトフロー」「前主系列星」「微惑星形成」「軌道進化」「惑星環境・惑星大気」「宇宙生物学」「惑星・衛星内部構造」「デブリ円盤」
      観測機器分科会
      タイトル
      天文学の未来を開拓する
      座長団 高久 諒太(宇宙科学研究所 M2), 大井 かなえ(首都大学東京 M2), 大金 原(東北大学 M2), 阿部 光(京都大学 M2), 上田 哲太朗(名古屋大学 M2)
      紹介文  今日の天文学は、電波、赤外線、可視光、紫外線、X線、γ線といった電磁波のみならず、ニュートリノ、さらには重力波といった様々な観測手段を用いて盛んに研究が行われています。 近年も南極のアイスキューブによるニュートリノ源特定、重力波天体の検出数増加など、我々の研究が未来の天文学を切り開いています。 それらの新たなサイエンスの発見には、従来の観測手法や機器の改善・発展が必要不可欠です。 そして今後の新たな技術開発のためには、観測機器や手法の原理の理解はもちろん、開発の先のサイエンスの理解、並びに他分野の研究者との交流が鍵となるのではないでしょうか。
       本分科会では、日本が世界に発信する最先端の観測機器の技術開発について、サイエンス、ハードウェア、ソフトウェアという3つの観点から理解を深め、互いに議論する場を設けます。 多岐にわたる研究分野の中で、多くの学生と議論を交わし、互いを高め合える場となることを期待しています。是非ご参加ください。
      招待講演
    • 金子 大輔氏(東大)
    • 高田 淳史氏(京大)
    • 注釈  望遠鏡・検出器等のハードウェアの開発および機器制御等のソフトウェア開発に関するものは基本的に観測機器分科会で扱います。 開発する装置が目指す科学目標に話の重点を置く場合は、それに該当する分科会で扱います。 尚、本分科会は守備範囲が非常に広いため、研究の背景及び新規性を明確に、かつ他波長の初学者にもわかりやすい発表を強く求めます(同プロジェクトに関する発表は連続で発表可能なように配慮します)。

      <振り分け基準>
    • 1.自身の行った実験や評価試験の発表のみでなく、開発しているハードウェア/ソフトウェア(レビューであれば対象としているもの)の背景と新規性を理解していることを求める。
    • 2. M1の優先は行わない。
    • 3. 応募数が定員数を上回った場合、アブストラクトを参考に振り分けを行う。
    • キーワード 大カテゴリ:「ハードウェア開発」「ソフトウェア開発]
      小カテゴリ:「電波」「赤外線」「可視光」「紫外線」「X線」「ガンマ線」「重力波」その他